本の感想とか

愛と幻想のファシズム(村上龍)

ようやく書きますよ。友人に是非読むように言われてから早10年以上。よくそこまでほったらかしにできたもんだねえ。 お話は。世界経済が再び恐慌に突入、中南米やヨーロッパ、アジアの国々が破産し、日本経済も疲弊。世界はアメリカの超多国籍企業コングロマ…

鬼畜のススメ(村崎百郎)

おれは、村崎百郎が好きだ。だから、本書を買った。で、相変わらず面白い。なぜ殺されてしまったのだろうか。 本書のテーマは「ゴミ漁り」で、まあ、内容がかなりアレなのでそこの話は書きませんが、同じゴミ漁りを扱っていてもでも右の『ゼロから始める都市…

『おれの中の殺し屋』(ジム・トンプスン)

今日はちょっとだけ仕事をやった。 本書は、もう随分と長い間気になっていたもので、いつだったか『小説の技巧』という本を読んだ時に名前が出てきたように記憶している。或は出てきていないかもしれない。ともかくも、何かのきっかけで気になっていたのであ…

『東電OL殺人事件』(佐野眞一)

感想とかを書くやつが諸々溜まったから順番に書いていこう。 本書は、1997年に渋谷の円山町で起きた、所謂「東電OL殺人事件」についてのノンフィクション。著者は最近、確か「週刊現代」で孫正義の人物伝『あんぽん』を連載していた(る?)佐野眞一。 事件…

『虐殺器官』(伊藤計劃)

そりゃあ!続いてやりますよ。 書店で見かけて気にはなってたんだよ。前から。どうやら夭折した作家の作品だということだとは分かっていた。 私は、自分が信用している書評家とか翻訳者とか有名人の褒めているものを好んで読むので、それらに特に当てはまら…

『これからの『正義』の話をしよう』(マイケル・サンデル)

今日はいい日だった。朝起きて、ラジオ聞きながら朝食とって、掃除して洗濯して、「ジャンプ」読んで本読んでランニングした。 ようやく感想を書きますよ。『東電OL殺人事件』も読み終わったし、仕事で使う本を買うついでにガッシガシ他の本も買っちまったの…

『ヴェニスの商人』(ウィリアム・シェイクスピア)

やはりこっちが先になってしまった。 私の日記を読んでいる方はいい加減この人の名前を聞き飽きていると思うが、私がシェイクスピアなんぞを読もうと思ったのは山形浩生が原因だ。山形浩生は、教養というものを一定程度信頼していて、それは更に言えば西洋的…

『紅一点論』(斎藤美奈子)

ふいー。久しぶりの日記ですわ。で、サンデル先生の本を先に読了しているわけだが、こっちの感想を書く。 著者の斎藤美奈子のことは、『妊娠小説』という評論集を書いていて、『日本文学ふいんき語り』だったか『ベストセラーゲーム化会議』だったかで参加者…

『集中講義 これが哲学!』(西研)

去年、どの本を買った時だったか、一緒に買ったものをようやく読み終えた。正直、恥ずかしいタイトルだから買うのを少々ためらったんですけどもね。 どっかの大学だかカルチャーセンターだかで著者がやった講義をまとめた感じのもので、話し言葉がベースで書…

『人生解毒波止場』(根本敬)

年の瀬が迫るなか、読んだまま感想を書かずに放ってある本がいくつかある。本書と、『クマと闘ったヒト』、『男子のための人生のルール』。途中で止まってるやつもあるなあ。『ヒップ-アメリカにおけるかっこよさの系譜学』は半分でずっと止まっちゃってるし…

『封建主義者かく語りき』(呉智英)

続けていきます。マックの日本語変換システムは意外に優秀だ。「くれともふさ」をちゃんと「呉智英」に変換したよ。 これも山形浩生の本に載ってたから読んでみた。呉智英は漫画評論でも有名で、「ダ・ヴィンチ」でずーっと『マンガ狂につける薬』という連載…

『奇妙な論理Ⅰ・Ⅱ』(マーティン・ガードナー)

友人から借りた『おおきく振りかぶって』を読み終わった。面白い漫画だ。いま「アフタヌーン」に載ってるのかな?誌面では見かけない気がするが。休んでいるんだろうか。 それで、チームスポーツっていいなあと思い、またバスケットボールをやりたくなった私…

『のはなし;イヌの巻・キジの巻』(伊集院光)

せっかく『荒野の用心棒』を観ていたのに、仕事関係のメールが入り、それの対応に追われて結局今日は観るのを諦めた。ふざけんな。タダで働くほどおりゃあ暇じゃねえんだよ。 突然だが、私はAMラジオの洗礼を受けたことがない。中高生の時に夢中になる人が多…

『因果鉄道の旅』(根本敬)

仕事関係のものと併せて昨日Amazonで注文した書籍が届いた。本書と『利己的な遺伝子』と『ヒップ-アメリカにおけるかっこよさの系譜学』の三つ。 今やサブカル界では知らない者はいない名言、「でもやるんだよ!」の初出が収録されている。著者の根本敬は自…

『若者殺しの時代』(堀井憲一郎)

ちょっとどうかと思うほど仕事に集中できない。いや、集中してないのは今に始まったことじゃないんだが、その、程度がね。まあヒマだからいいと言えばいいんだけどさあ。いや、アレだ。ヒマじゃないんだが、金が入ってこないのだ。まあそれはいい。 それで。…

『ザ・ロード』(コーマック・マッカーシー)

昨晩Twitterでつぶやいてから腰を入れて読み始め、今日の移動中に読み終わった。 がっと読み始めたらぐいぐい進んであっという間に読み終われました。初めの方で挫折しそうだったのは何だったのか。 『血と暴力の国』が良かったし、私の信頼する山形浩生さん…