『封建主義者かく語りき』(呉智英)

続けていきます。マックの日本語変換システムは意外に優秀だ。「くれともふさ」をちゃんと「呉智英」に変換したよ。


これも山形浩生の本に載ってたから読んでみた。呉智英は漫画評論でも有名で、「ダ・ヴィンチ」でずーっと『マンガ狂につける薬』という連載を持っている。私はかなり前からこの人のことは知っていたが、本を買って読んだことはなかった。


ただ、封建主義者だというのはことあるごとに書いていたので、それは知っていた。


で。肝心の中身なんだけど、ざっくり言えば「民主主義が最上のものではない。封建主義がサイコーなのだ」ということが主張されている。私の頭の悪さ故か、封建主義がどういうふうな理由でサイコーなのかはよう分からんかった。


しかし、民主主義が最高の制度だとは私にも思えない。じゃあお前はアカなのかと問う向きもあろうが、そんなに純粋じゃないよ。


私は山形浩生ほどではないにしろ、エリートを信じている。やっぱり飛び抜けて能力のある人というのはいるものだし、そういう人たちはやはりお互いで切磋琢磨できるような状況におかれるべきで、「みんな」に合わせる必要はない。そんなことしたら上が伸びられなくなっちゃう。


私は、勉強ができないきみにもきっと何か一つは「才能」があるんだよ、という今の教育のお話にも乗れない。大竹まことが昔、『上岡龍太郎がズバリ!』というテレビ番組で「世の中には何の才能も何の取り柄もないやつが大半なんだ」と言っていたが、その通りだと思う。ってこのテレビすげー昔の話なのに、まだ覚えてるってことはこの発言は当時の私にとってよっぽど衝撃的だったんだろうな。


全然話は変わるんですが、本書では春画の話もなぜか出てきて(さして重要でない部分だろう)、北斎だか誰だか有名な浮世絵師の春画に、蛸が美女を犯すっていうやつがあったと出てきていて、「おお!触手ポルノは江戸時代に既に存在していたのか!」と驚いた。私の中では触手ポルノといえば町野変丸先生だったので、江戸時代まで遡るとは驚きですよ。


まあどうでもいい話ですけどね。