『奇妙な論理Ⅰ・Ⅱ』(マーティン・ガードナー)

友人から借りた『おおきく振りかぶって』を読み終わった。面白い漫画だ。いま「アフタヌーン」に載ってるのかな?誌面では見かけない気がするが。休んでいるんだろうか。


それで、チームスポーツっていいなあと思い、またバスケットボールをやりたくなった私は、近くで活動しているサークルに見学申し込みのメールを送ったのだった。


って本の感想だ。仕事が忙しかった(かなあ?)せいか、感想を書けるほどMPが日々の生活で蓄えられていなかったし、今もそれほど元気ってほどじゃないが、読み終わった本もそこそこあるのでパパッと感想っぽいものを書くことにします。


山形浩生の『新教養主義宣言』の中に出てきた著作だったので、読んでみたのでした。これは1952年に刊行されていて、どうやらその分野では古典とも言えるものらしい。内容は、刊行当時に持てはやされていたニセ科学やオカルトを論破しつつ、何でそんなことを信じてしまうのか、というのを解説したものだ。


実は私は3、4年前に同じようなテーマの『人はなぜニセ科学を信じるのか』(マイケル・シャーマー)という本(これは割と最近に書かれた)を読んだことがあるのだが、大体すっかり内容を忘れていたので楽しめました。


論破されているのは例えばこういうもの。


・地球空洞説
・進化論への抵抗
ホメオパシー(同種療法)
・ESPとPK(超能力)
相対性理論は誤りであると騒ぐ人たち
・UFO
ダウジング
アトランティスとムー


今は廃れてしまったか、当時よりは流行が下火になった他のニセ科学も取り上げられていましたが、私の印象に残ってるのは上に挙げたやつですな。


正直、私はこの手のニセ科学とか新興宗教って、「それを試したり、利用したりして実際に『治る』人がいるなら別にいいじゃん」と思っていたのだが、それは正しくないということがようやく分かった。


今年、ニュースで騒がれたから覚えている方もいるかもしれないが、本書にも取り上げられているホメオパシーってのがある。これは、どう説明すればいいのかな。Wikipedia様にお願いするか。


ホメオパシーは、『健康な人間に与えたら似た症状をひき起こすであろう物質をある症状を持つ患者に極く僅か与えることにより、体の抵抗力を引き出し症状を軽減する』という理論およびそれに基づく行為である」


…。分かりにくいか。まあ、アレですよ。知りたい人は検索してください。


でね、今年ニュースになったのは、新生児に本来投与するべきビタミンKを投与せず、それの代替としてホメオパシーが言うところのレメディを投与したところ、その新生児が死亡した、という事件です。


こういうニセ科学を信じて「治る」人はいる。そのほとんど全てがプラシーボ効果だけどね。ニセ科学がプラシーボによる「治癒」または「病状の維持」しか(重要!)もたらさないなら、まあ目をつぶってやってもいい。


しかし、そんなことはある訳もなく、(本来やるべきことをやらないことで)症状が悪化したり、このケースみたいに死亡するということがニセ科学の場合は、正当な科学よりもずっと頻繁に起きるんである。


だから、やはりニセ科学は駆逐されなければならないし、そうでないならばせめて自分に近しい人には関わらせてはいけないものなの。


面白いのは、有名人著名人ってこういうオカルトとかニセ科学に傾倒している人が割といるってこと。林真理子とかはその最右翼で、確かホメオパシーにも一時入れ込んでいたと思う。他にも一条ゆかりとか、安野モヨコとか。って作家と漫画家ばかりじゃないか。男性だとサンプラザ中野はそうらしい。人気商売だから占い師にハマる人も多いっていうしなあ。


占いなんてのも、ありゃただの「技術」だからねえ。コールドリーディングとかさ。祈祷師と称する人間が家をお祓いするって時に、誰から何も聞かずとも「霊がいる」場所が分かる、とかいう話もあるがアレも技術だ(家の者は無意識にせよ意識的にせよ、その「場所」に目が行くんだから、それを追いかけりゃいいだけの話)。


ただ、そういうニセ科学を信じないからといって、私は別に科学万能主義者ではない。霊っぽいものの存在を全く信じないかといえば、口ごもるねえ。でもなあ、霊がいるってことは死後の世界があるということも導かれなくはないものの、私はそういうのは信じてないからな。


なにごとにも眉に唾しろってことですかねえ。信じるのは簡単だが、騙されるのも簡単だ。