発音よりもアクセント

たまたま、英語についてつらつらと考える機会があったので書いてみますわ。当然私の日記なのだから、これが私の考えていることであって経験以外に根拠はない。


今日考えていたことは、「いかにしてストレスを最小化しつつ英語の会話で自分の意思を相手に伝えるか」。言いなおしたり、相手に何度も同じことを尋ねられたりしないようにせずに、スムーズに会話を進めるのに有用だと思われることに絞って書いてみようと思う。


日本語と英語には、会話中の単語の発音の強弱の存否に違いがある。通常、日本語は単語によって強弱をつけない言語である。


たとえば、「今日は良いお天気ですね」という文を考えましょう。ご近所の方とすれ違うときにこの文をあなたが言うとして、殊更に強く発音する単語は特にないはず。例外を挙げるとすれば、梅雨の時期などで長く雨の日が続き、ようやく晴れ間が出たときには「今日は」の部分を強く発音する場合か。


一方、英語はほぼ全ての場合において、単語によって強弱をつける言語である。先ほどと同じく、天気の話をする場合を考える。「It is a fine day, today.」この文を、日本語の「今日は良いお天気ですね」と同じ抑揚で読んでも相手には(簡単な文ですから意味は当然通じるだろうが)伝わりづらいだろうと私は思う。この文は、「It is a "fine" day, today」と"fine"を強調することによって完成する。


言葉を口にするということは、自分の意図している何らかのことを相手に伝えるためで、英語を話すときにはその意図に当たる部分を強調することが必要ではなかろうか。これは、「なぜ?」と問うても中々答えは出ない問題だ。いくつか理由めいたものは挙げられそうだけど、ここはもう、「そういうものだから」と割り切って話すしかないよね。

 
前述の例外における場合のように、やっと晴れ間が出たときはどうするかですが、私なら「It is a "fine" day, "at last"」のように2箇所を強調します。もっといい表現があるような気もしますが、私はこれくらいしか思いつきません。


ストレスのない会話に必要なのは単語の「アクセント」なのか「プロナンシエーション」なのか、については、私は「アクセント」だと思う。そりゃあ、勿論どっちも獲得できるならそれに超したことはないが、ムリだよそいつは。


どちらか選ばなければならないなら、「アクセント」。理由は、「『アクセント』は完璧にすることができるが、『プロナンシエーション』を完璧にすることは、歳を取ってからではほぼ不可能であるから」。「アクセント」は、どの母音を最も強く発音するかだけが問題なのであり、これについては完璧にすることは(発音に比べれば)容易です。一方、「プロナンシエーション」は、一筋縄ではいかない代物。日本語にない発音法を綺麗に身につけるのは大変骨が折れる。


それに、私たちは上流階級の社交界にデビューするわけではない。パーティや晩餐会では発音も大事になろうが、私たちはそんなとこで仕事をしたり生活をするわけではない。私たちが英語を話すのは、一部のネイティブと大多数のノンネイティブです。だからこそ、「アクセント」が大事。非西欧語圏のノンネイティブの方の「プロナンシエーション」は、完璧とはほど遠いですが、それで通じちゃってます。日本人だと、大橋巨泉の英語はバリバリの「日本語英語」ですけど全く問題ないですね。Youtubeに巨泉が英語話してるビデオがあるといいんですが・・・。


じゃあ、でたらめな「プロナンシエーション」でいいのか?ってえと、これも極論ですねえ。無論、でたらめではダメです。だからといって、これに凝りすぎると、はっきり言って英語を話すのが苦痛になる。何というか、試験範囲にない部分を勉強しまくるようなもの。ですから、最低限の技術が身につけば大丈夫だべ。



で、結局何が言いたいか。


1.会話の中では、あなたの「伝えたいこと」を最も良くあらわす単語・表現を強調し、抑揚をつけましょう。
2.単語の「プロナンシエーション」をネイティブ並にしようなどと思ってはいけません。来世どころか、再来世になってもネイティブ並にはなれません。
3.むしろ大事なのは「アクセント」(どの母音を一番強く言うか)です。



個人的には、このビデオのサミュエル兄貴の話し方が非常に「英語っぽい」と思う。ってまあ、やりすぎではあるけどねえ。