サブクエスト

一体、何がどうなってこういう話になったのか。金曜の夕方の時点で、私はぼけーとこの日曜を家で過ごしているはずだったんである。それが一転、韓国美女(Sさんとします)とマンツーマンで東京観光とは。


ことの始まりはこうだ。私は昨日、高校の同級生の結婚パーティにお招きいただいて、友人と奥さんを祝福したわけです。新郎も新婦も英語が堪能でいらっしゃるので、外国籍の方もおり、たまたまSさんと少しお話をしたんですよ。Sさんは韓国籍の女性で、釜山からわざわざ来日した新婦のご友人で、何でも翌日(つまり今日)に特段予定もなく、どうしようか、という旨のことを仰っており、こう、その場の流れもあり、単身者で身軽な私が東京を少し案内しましょうか、ってことになったのです。・・・というのはまあ、表向きの理由で、一つには高校の同級生にやや焚きつけられて。もう一つは、Sさんが単純に見目麗しい方だったから。


ともかくも、今日私の携帯電話に連絡をもらうことにして、昨日はお開きに。


ありもしない知恵を絞り、どこに行こうかと考えましたよ。どうやら浅草と芝公園及び隅田川水上バスは前回の来日時に行ったようなので、それ以外かなあと。極めてベタではあるが、渋谷とかが良かろうかと考えたところで、眠っちゃいました。


午前に電話をもらい、13時に吉祥寺のホテルに行く算段になって、出かけました。Sさんは新婦とお昼を取って戻ってくるとのことで、私はホテルで少し待ってたんですよ。鞄の中に入っていた「Tv. Bros.」のみうらじゅん清水ミチコの対談読んでニヤニヤしてたらお二人が来ちゃって、慌てて鞄にしまいましたよね。


井の頭線で渋谷に移動しまして、まずSさんのキャリーバッグ(「きゃりー」と入れたらすぐに「きゃりーぱみゅぱみゅ」と予測してくれるコンピューターはどうなんだろうか)をロッカーに入れました。


井の頭線の車窓から桜が見えたこともあって、桜を見にいきたいと所望されたため、拙い知識を動員し、代々木公園ならそういう感じの場所もあろうと意気揚々と向かいましたよね。で、個人的に「ど」がつくほどアウェーの街、渋谷ですいすいと目的地に着けるわけもなく、傷が広がる前にちゃんとタクシーに乗りました。


「気は確かか?」と言われるのを承知で書きましたが、起こったことはちゃんと起こったと書かねばなりません。


・・・とにかく、タクシーに乗りましたよ。で、運転手さんに行き先を告げると「目黒川沿いが綺麗なのでそちらがお薦めですよ」と言われて、それじゃあ目黒川に行ってくださいとお願いしました。


我々ボンクラが一大決心をして行かねばならないシャレオツタウン(中目黒、自由が丘、代官山、南青山など)の最右翼に図らずも向かうことになってしまったわけですが、もう、この状況は明らかに非日常であるので、大して気にもとめず行きましたわ。


噂には聞いてましたが、確かに綺麗でした。そして、人手も凄かったけどね。私はビールが売ってるとこをめざとく見つけて速攻で買いました。Sさんは、お酒は嗜まないのでウーロン茶を。Sさんは満開の桜とそこに漂うハレの空気を気に入ってくれたようで(恐らく)、良かったっすわ。


中目黒駅から電車で渋谷に戻ろうとしたものの、人が凄くて結局タクシーで戻りましたよ。夕食にはやや早い時間だったので、FOREVER21に行ってみることに。私、FOREVER21に初めて入ったんですけど、安っすいのね。ユニクロより安いんじゃないのかね?


そんで、流行のものしか置いてないから、分かりやすい。今年の春はビビッドな色合いの服がトレンドなので、ちょっとどうかと思うほど目がチカチカする店内でしたわよ。店員さんは、ルミネのテナントよりは上等だが、老舗の百貨店よりは数段落ちる感じの接客でした(個人の感想です)。しかし、あの、「いらっしゃーせー♪どうぞご覧くださーせー♪」はどうにかならんのかね(http://portal.nifty.com/special05/12/15/)。


・・・。どこまで話しましたかね。あ、ファストファッションね。ええと、少し時間は早かったのですが、夕食を食べに行きました。特に好き嫌いもないということで、メニュー選びは楽でした。


流石に15分30分で食べ終わるわけもなく、私はお酒を飲みつつ、あれやこれやを話しましたよ。Sさんがお姫様っぽい人だったら、私もすぐにMPなくなってすぐスリープモードになっちゃうところでしたけど、北野武の映画よりは饒舌な晩餐でした。


しかしですね。当時は極めてク・・・じゃないや面倒であるなあ、と感じていたサークルでの下級生の接待術って身につけておいて良かったですよ。こう言っては何ですが、私、大抵の人に話を振ってそれをとっかかりにして、放送事故にギリギリなるかならないかくらいの沈黙は回避できますからね。


デザートもいただいてお店を後にした私たちは、Sさんの荷物を回収し、駅に向かいまして、日暮里にて別れました。この一日について、Sさんがどういう感想を持ったのか、私には知る由もありませんが、「まあ、悪くはなかったかなー」くらいであって欲しいなあとは思います。


当初は、MPの回復に充てる予定だったものの、ふたを開けてみればバリバリにフィールドで冒険してました。こういう行きがかり上のイベントを避けて生きることも出来る(サブクエストをクリアしなくてもラスボスは倒せるわけですよ;って人生におけるラスボスが何なのかは知りませんけど)けど、右に行ったり左に行ったりしたら、その途中でいきなり賢者になるかもしれないし、これからもこういう感じでやっていきますよ。


しかし、返す返すもしまったなあと思ったのは、韓国の発酵食品「ホンオフェ」について聞きそびれたことだ。世界で2番目に臭いと言われるホンオフェ、Sさんは食べたことあったのかねえ。


おお。長くなりました。