サニー 永遠の仲間たち

博多華丸さんのツイートで本作の福岡での上映が明日までだということを知り、急いでこれを書いています。私の書いた感想で貴方が映画を観に行ってくれると嬉しいですよ。


あらすじの説明の後にやや愚痴っぽい文章もありますが、最後まで読んでくれたらきっと観たくなるはずです。ならなかったら、私の力不足です。そうなったとしても観に行ってください。そして、「あいつの感想、全っ然なってないわー」と思ってください。


きっかけは、花くまゆうさくさんと水道橋博士さんのツイートだったんである。その後「映画秘宝」で記事を読んだ。


珍しく映画館に足を運んだのでした。5月25日。ちょっと時間経っちゃいました。


お話は。


結婚して高校生になる娘と3人で不自由ない生活を送っていた42歳のナミは、ある日、母の入院先で高校時代の友人チュナと再会する。高校生時代、ナミとチュナを含めた7人から成る仲良しグループ「サニー」はずっと一緒にいると約束しあったが、ある事件をきっかけにバラバラになってしまっていた。病気に苦しみ、最後にみんなに会いたいというチュナのため、ナミは当時の仲間でもう一度集まろうと決意して仲間を探し始めるが…。


というもの。


面白かった。掛け値なしに面白かったのではある。ただ、こう、「映画秘宝」と花くまゆうさくさんのTwitterからの情報でハードルがやや上がってしまったのかもしれない。観た直後に、ぐわーっとはならなかった(けど、時間とともにジワジワと良さが感じられてきて、今やそのスカラーたるや相当なもんである)。


直後は、真面目トーンとコメディトーンのバランスがコメディ寄りすぎだと感じたですよ。まあ、勝手に想像していたのだから、「おれの想像してたのと違う!コレジャナイ!」などと怒るつもりもないですけど。


韓流ドラマのご都合主義を批判的に描いておきながら、リーダーの人が末期癌だったり、
主人公が対立するグループに襲われて、ヤバくなった時に絶妙のタイミングでカッコいい人が助けに来たりして、「んー?」となっちゃったのもあるか。あ、でもアレだ…ってネタバレるかもしれないから書かないほうがいいか。


確か、水道橋博士さんが公式リツイートしてた(と思って探したのですが、見当たらなかった;大元の発言者ご本人がツイート削除されたのかなあ)「ベタな展開の連続で途中下車しちゃった人は、評価しづらいかもしれません」(大意)というツイートに照らせば、私は「途中下車」組かも。


あとは(まだ文句があるのかえ)、私の頭の悪さ故、登場人物をよく覚えられなかった。「サニー」のメンバーは7人で、回想シーンと現在が交錯する作りなので、過去のどの人が現在のどの人か変換するのが大変だった。


…と、文句はここまでです。


本作は、男女問わず中年の方が観れば、中学生や高校生の頃の甘くて苦い思い出がよみがえること請け合いです。観終わった後、かつての仲間やそうでなかった人たちが今どうしているのか知りたくなるはずです。そして、ご自分の「いま」について、考えちゃってください。


この映画には、貴方の思い出、初恋、学業、文化祭、背伸びしてお酒を飲みに行った経験、友達とツルんでただダベっていた思い出未満の些細な出来事の全てがあります。


私は先ほど、登場人物が多すぎたと書きましたが、Togetterで様々な人のツイートで気づきました。7人は、仲間としての「グルーヴ感」を醸し出すために必要な人数だったのではないでしょうか。3人でも、5人でもなく、7人。これが当時の空気を再現するのにちょうどいい数なのかなと。8人以上だと私より頭いい人でも覚えるのが大変ですし。


お隣の国がほんの20数年前までは軍事政権だった、ということにも今さらながら驚かされた。そりゃあ、金大中誘拐事件とか、そういうことは知ってほいたが、生活と政治運動が地続きだったんだねえ。そういう意味では、日本でいま60歳くらいの人が観てもグッと来るかも。


本筋とはちょっと外れるけど、80年代ファッションのダサさが完璧に再現されていて凄かった。現在の視点で80年代を描くと今っぽさが滲み出てしまいそうだけど、徹底的にダサさにこだわっていて最高でした。


最後になりましたが、「サニー」のメンバーの中の美少女の可愛さがただ事でないことをお伝えします。マジで可愛い。超絶可愛い。是非劇場でお確かめください。


あー、もう一回観に行こ。


主観的面白さ:★★★★/5