即戦力

本当は、もう寝たいのだが、どうしても書かずにはいられないので書きますよ。40分一本勝負。


今日、NHKのニュースで、今年5月に過労で自殺したワタミの新入社員のことを取り上げていた。入社僅か2ヶ月で自殺。本当にやりきれない気分になる。


「ひとたび正社員から非正規雇用になると、もう正社員になれないのでは」と、狭き門を何とか突破して正社員として入社した彼女が思っていたのは想像に難くないし、実際の労働市場でも彼女が考えていた通りなんだろう。


そもそも、おれが企業様に言いたいのは、「新卒の社員に『即戦力』なんて、ほっっっっとんどいねえんだよ、ボケ!」ってことですよ。実力が全てのプロ野球にだって、高卒大卒の即戦力なんてほとんどいねえだろうが。即戦力としてドラフトされるのは、一昔前は社会人野球経験者と相場が決まっていた。まあ、もっとも野球部がある会社も少なくなったから今がどうかは知らんけど。


広島のような素晴らしい育成をしろ!とは言わないが(何しろ、海外に野球アカデミー作っちゃうくらいだから)、もうちょっと長い目で見なさいよ。おまえらがやっていることは、金に飽かせてバンバン「即戦力」を集めてはそいつらを酷使し、すぐに選手が故障で引退しちゃうのと同じ。そんだけ使えば、権藤博さんのように2年で駄目になるよ。全員が金田正一さんのようなわけではない。


成果主義が本格的に導入され始めたのは、私が就職した2002年くらいからではないだろうか。同時期に非正規雇用の拡大が始まったように思う。資料にあたってないから、絶対そうかは分からんけど。ただ、製造業に対しての派遣が解禁された2004年以降は、確実に非正規雇用の数は増えてきているはず。おれは当時総務部にいたから、確かである。


成果主義にはメリットもあっただろうけど、おれはデメリットの方が大きかったと思うよ。実際、富士通資生堂は個人の成果主義を見直して、チームの目標を設定し、それを達成したかどうかを考課しているし。富士通は、2002年の新卒時の給与が額面35万で、そこから個人としての評価が上がらなければ一生給与が上がらないという、プロ野球も裸足で逃げ出すようなことをやっていた。変われば変わるもんですなあ。


会社のお偉いさんは、バブルがはじけて以降、人件費をコストとして考える意識が強くなったんだろう。おめーの役員報酬のかなりの部分はその「コスト」が稼いでくれているにもかかわらずだ。


もう昔みたいに、毎年右肩上がりなんてことはあり得ないわけだから、こう、もっと肩肘張らずにやっていくしかないでしょ?近代化、工業化が完了し、人口も減少傾向にある日本は、緩やかに死んでいってるわけで(余程のことをやらないとこれは変わらないはず)、こうなったらみんなが飢えずに死ねるようにするしかねえ。


いいおべべ着て、旨いもん食って、高い車乗り回したい人は、もう日本以外でそれを実現してもらうより他ないっすよ。


話がとりとめもなくなってきた。ええと、最後に、さっきの「コスト」とからめて。想像力の働かない奴というのはどこにでもいるもので、夢に日付を書いちゃう人がやってる会社の偉い人もそうだったんでしょうねえ。


おれが勤めてた会社の総務部の上司は、まさに想像力の働かない、ステンレス星人だった。そいつにはパワハラ紛いのことをされ、おれが辞めた後の裁判のためにそいつから受けたパワハラの内容をメモしたりしていたが、そのS山という奴は言うに事欠いて「鬱病で2年間休んで、その間も幾らかお金もらって、退職金も自己都合より多くもらえるなんて(会社都合退職だと自己都合よりも金額が高い)、良い身分だよね」などと宣っていた。


きっと、おれが会社都合で退職するときも「あいつは使えない奴だったにもかかわらずカネだけは取っていったな」くらいのことを言っていたはずだ。風の噂によれば、S山は5年くらい前に総務部長様になったらしい。せいぜい頑張ってくれよ。あー、パワハラメモが残っていたら、民事訴訟起こすのになあ。


もうこんな時間だ。まあ、そういうことです。どういうことだ。ねる。