文学って

宮部みゆきの『火車』を買った。十年ほど前に読んだが、ほとんど内容を覚えてないのでまた読んでみようと思ったのだ。あと福満しげゆきの『僕の小規模な生活』1・2巻も買った。


兼ねてから、文学とは何かという疑問を持っている。私の信用している書評家の豊崎由美は文学作品は「腑に落とさない(ちない)」もので、娯楽作品は「腑に落とす(ちる)」ものであると雑誌に書いていた。私はその説明にかなり納得したが、最近こうも思うのだ。


どこで発表されるかによってその作品が文学か否かが決まる。


つまり、メディアによってある程度その作品の文学度が決まってくるのではないかと。私の思い込みだろうか。そうかもしれない。


極端な暴力描写や性描写がでてくる作品は数知れずあるが、はっきり言ってどんなものでも文藝春秋社や新潮社からでるものならそこそこの文学感(なんだこの言葉は)が漂うだろう。『バトルロワイヤル』が太田出版からではなく文藝春秋から出てたら芥川賞の候補になっていたとしても不思議じゃない。と思う。


現に松尾スズキの処女作『宗教が往く』はロッキンオンから出版され、賞とは縁がなかったが、『クワイエットルームにようこそ』は文藝春秋から出版され芥川賞の候補作になった。


これ、映画にも言えると思うのよ。おれの嫌いなラース・フォン・トリアーの最新作は暴力描写アンド性描写がてんこ盛りらしいが、「芸術寄り」の監督がそういう映画撮っても俗悪だとか低俗だとかいう話は(「芸術寄り」でない監督の作品よりは)少ないだろう。たぶん。


何が言いたいのか。あ、そうだ。作品が流通しているメディアが巨大かつ商業的なものであるからといって、その作品が低俗というか取るに足らないものであると断ずる奴らは大したことないって思うの。


「ジャンプ」や「マガジン」を初めとする少年誌青年誌に載っているものでもいいものはいい。具体的には『NARUTO』や『ONE PIECE』は単なる少年向け娯楽作品であるとの評価以上の評価をされるべきだ。そう言いたいのだ。


何だかよく分からない文章になった。分かりにくかったらすまん。