サイパン色々

恥ずかしながら帰って参りました。


先週の日曜、私たちが通称「下品メンツ」と呼んでいる4人で(いつも通り)したたか飲み、家に帰ってからあまつさえF1を見てしまう。いつ寝たかは無論憶えていない。


・・・。ガバッ!


6:00ちょうど。必死に頭を巡らせる。おれのフライトは10:45。その2時間前にチェックインをしていなければならない。パスポートとチケットを確認してすぐに家を出る。すんげえ二日酔い。ともかくもサイパンに到着。ホテルにチェックイン。


サイパンは、いーい感じに寂れた島だった。中心部(と言っていいかすら怪しい)にもバンバン空きテナントがあり、日本の地方都市のようだ。日本からわずか3時間しかかからないため日本人も多く、当然看板やシャッターに日本語の表記があるお店も多いから、それも地方都市っぽさに拍車をかけていたのかもしれない。MPがあれば写真をアップしますが、期待はしないでください。


私が今回サイパンに行ったのは、鴻上尚史さんの『不安と孤独のレッスン』を読み直したからというのが主な理由ではあった。極めておおざっぱに書くならば、携帯もコンピュータも持たず、鴻上さんの言うところの「本当の孤独」と向き合うためだった。


以下、少々長くなるがその本から引用する。改行は省略。


「『恥ずかしくない孤独』とは、一人でいることが当然の孤独です。それには、一人旅が最適だと、僕は思っているのです。最低1週間以上の一人旅。それも、なるべく何もない観光地がいい、という不思議な旅です。ラスベガスに一人で行ったりしたら、たぶん、毎日、お忙しでしょう。人工的なものがたくさんある観光地ではなく、自然に包まれた場所がいいと思います。『自然』と『あなたの身体』が感応し合って、まず、あなたの体の強張りが取れるのです。(中略)自分が、『本当は何をしたいのか?』『本当は何を考えているのか?』を知るためには、ちゃんと一定の時間、何もせず、退屈し、孤独になることが必要なのです」


『不安と〜』には、筆者の体験として暇で暇で海でぼーっとしていたら、自分でも思いもよらないような考え(筆者は「自分は今抱えているあの仕事が嫌なんだ」ということ)がふいに浮かんできたということが書いてあった。


おれも、そういう、はっとするような体験をしたかった、というのもあった。けども、持って行った本もわざと読まずに4日ほどぼーっとしてみたが特に何もなく、途中で諦めた。それから本も読んだし、ダイビングもした。


恐らくはまだまだ時間をかけなければそういうことは浮かんでこなかったんだろうけど、全旅程を費やしても「啓示」がなかった、というと非常に頭に来るのでやめた。


私は『不安と〜』を鬱病が酷かったときに読み、よく考えたらその時に散々ぼーっとした(というか、ぼーっとしかできなかった)からそこで何がしたいか、何をしたくないかをまあまあ考えられたということもあったのかもしれん。会社員当時に抱えていた子泣き爺並のストレスに比べたら今は鼻クソくらいのストレスしかないし。


まあその話はもういい。


ダイビングは海が大っっっ変に綺麗で良かったです。日本人の方がやっているダイビングショップにお世話になりました。同じボートに乗ってた方6名ほどともお知り合いになれましたし、凄く楽しかったっす。みなさん、今後ともよろしくねー。


話は変わりますが、サイパンといえば先の大戦で激戦地でした。バンザイクリフとスーサイドクリフをご存じの方も多いでしょう。恥ずかしながら、私、今までこの二つを同じものだと認識してました。一つのものに日本語と英語で名前がついたとばかり思ってたら、違うんです。二つあるんですね。


バンザイクリフは、下がすぐに海になってます。ここは、民間人(当時はたくさん日本人が住んでいた)が捕虜になるのを恐れて沢山飛び込んだところです。スーサイドクリフは、日本軍の兵士が飛び降りたところ。前者の近くには沢山慰霊碑がありましたが、後者の方には僅か2つしかありませんでした。そのことについては、やや不満です。


帰国日は見事に飛行機が3時間半以上遅れ、お陰で本を2冊とも読了できた。


入国して一番最初に買ったのは「チャンピオン」とお茶。スカイライナーで西日暮里まで行って、巣鴨で降りて染井霊園にある弟の墓に参る。あれから4年か。荻窪に着いてからもさっさと帰りゃいいのに、コンビニで「ヤンマガ」「スピリッツ」「イブニング」「マガジン」「ヤンジャン」「モーニング」「ゴラク」「アフタヌーン」を読む。おれ、1週間以上は日本を空けられねえな。漫画読み逃しちゃうもん。


まあそういうことです。ながいね。ごめん。