虚構の劇団の

チケットを買ったのだった。明日、21日のやつだ。従って、感想とかは明日になるであろう。飲み過ぎなければな!


私が鴻上尚史さんに興味を持ったのは。ってもう散々書いたとは思うけど、改めて書くよ。かつて「週刊朝日」で『恨ミシュラン』を西原理恵子神足裕司が連載していた時に、何か微妙な連載をしていた時に目にしたのが始まりだった。夏休みに帰省していた小学校4年生だった私は、やることがなくてしかたなく「週刊朝日」を読み漁り『デキゴトロジー』とか『C級さらりーまん講座』だったか『パパは何だか分からない』だったかを読んでいたのだった。甘糟りり子のエッセイも読んでたなー。


時が経ち、何かのはずみで「SPA!」の『ゴーマニズム宣言』を読み始め、そこにあった鴻上尚史さんの『ドン・キホーテのピアス』を読み始めたのだった。もう15年くらい読んでいる。だから何だ、ってこともないけどな。


そんでその、鴻上尚史さんが主宰していた第三舞台が2001年に10年間活動を休止する、ってんで親友とその舞台を観に行ったのだった。思えば、初めて能動的に観に行った舞台だったし、凄く余韻を残す舞台だった。


それから私は、ひょんなことから(と、言うのも具体的な理由というのを憶えていないのだ)、宮沢章夫さんのエッセイを読むようになった。宮沢さんの著作は、恐らく『レンダリングタワー』と最近刊行された『考えない人』以外は全て読んでいる。『彼岸からの言葉』すら図書館で読んだ。


そんで、色々あった時に宮沢さんが『ニュータウン入口』という舞台をシアタートラムでやった時にも福岡から観に行った。正直、「よく分からなかった」けど、それは私にとって決して「つまらない」ものではなかった。昨年の、『ジャパニーズ・スリーピング』も観た。これも「分からなかった」。しかし、圧倒的に「分かりたい」と思わせるものだった。繰り返しっぽくなるが、これは断じて「つまらない」訳じゃないと直感的に分かった。


勢い余って、時間は前後するが、早稲田の第二文学部で宮沢さんがやった授業にももぐったし、あまつさえ実際宮沢さんと言葉を交わしてすごく嬉しかった思い出もある。


ニュータウン〜』と前後して、野田秀樹さんの舞台もWOW WOWで観た。俄に私は演劇づいた。なぜかは知らん。


宮沢章夫さんの系譜からか、松尾スズキさんの連載や小説を読み始めたのは福岡にいるときだったか。『宗教が往く』は私の今まで読んだ(数少ない)小説の中で最も濃密かつ面白い小説の一つだった。『クワイエットルームにようこそ』も読んだし、映画も観たし、『同姓同名小説』も読んだし、気がつけば「モーニング」で連載されているすぎむらしんいち先生による『老人賭博』も読んでるわ。忘れてはいけないのは『母を逃がす』も観たことだな。


ただですね、私は(結果的に;だと思いたい)あくまで権威主義的な観劇しかしてないわけで、今まで挙げた方は岸田戯曲賞を受賞している人ばかりですよ。専門誌とか読んでいる人からすれば「あーあ、ミーハーな方ですか」ってことになると思います。でもダメか?それが?ダメかもね…。


タイトルにも書いた虚構の劇団の「アンダー・ザ・ロウズ」は、高円寺でやっている。事務所から近くて助かる。


長くなったついでだから書きますが、私は観劇のリテラシーみたいなのが備わってないんだなーと心から思います。ただ、例えば『母を逃がす』の細部のギャグに笑っても終演直後に席の後ろからでかい声で聞こえてきた「で、結局何だったの?」というのを率直に言うのは憚られるんですよ。そりゃ松尾スズキさんの脚本と宮藤官九郎さんの演技は面白いよ。ただ、その、何というか「樹を見て森を見ず」という見解をおおっぴらにできるほどおれは肝が据わってないわ。


だからこそ『母を逃がす』の戯曲を買おうと思ったが、どうやら初演時と違うらしいので買うのをためらったのだよ。直接的には、資金面の話だな。


何の話だ。まあ、アレです。おれは演劇が結構好き。そういうことです。はい。