負け犬

明日は朝から出かけるからもう寝るべきなのだが、どうしても書いておきたいからちゃちゃっと書いてしまおう。


今日、私はさる「異業種交流会」に参加してきた。仕事の一助になればいいなーくらいの考えで、税理士の友人に誘われて品川のタワーマンション最上階の共有イベントスペースで開かれたその会に行ったわけである。


開始は19:30だということだったので、律儀にその時間に会場に行く。件のタワーマンションのエントランスはオートロックを入ると趣味の悪いバブルがぶり返したような感じの、通路左右に無意味に池というか水が貯えられていて、加えて塩素の臭いがする、バカらしいものだった。


まあ、とりあえず最上階に行くかってんで、行ったところ、既に15名くらいは集まっている模様。皆さん親しげに話している。


で。私が気がかりだったのは、友人の税理士を今日の会に誘ったのは、私と彼がかつて所属していた某サークルに在籍していた女性で、しかも、その女性は所謂「ネットワークビジネス」(アムウェイみたいなもんですな)をやってるという情報だったんである。


品川駅から会場へ向かう途上にその話をされて、私は「そんなねずみ講まがいの変なミーティングなんぞに顔を出したらたちまち、何の効果もないクソサプリを法外な値段で買わされてケツの毛まで毟られるぞ。ああどうしよう」とおののいた。


しかし、いざとなったら私は友人をおいてさっさと帰ることに決めて、社会科見学を決め込むことにした。


やがて、人が集まりだし、軽食お酒ありのパーティっぽいのが始まったわけだが、案外そういう催眠商法的なこともなく(というか、全くなかった)、普通に皆さんが情報をやり取りしたり自己紹介をしている。


年齢層は20代から30代半ばくらい。男女比は凡そ6対4くらいか。男性は既に独立して会社をやっている人もちらほら、あとは勤め人と士業の人。女性は様々。カネ回りのいい男を引っ掛けてやろうという感じのかなり気合い入った奴が多かった。


学生も中にいて、ほお、と思ったのでそいつとちょっと話したのだが、自己紹介が終わるなり、「自分、『外こもり』なんですよ」とのたまう。社会に出て企業で働くということも考えているわけでもなく、ただ、生きるための金を労せずして稼ぎたい、という人間のようだった。


私は日頃から上流階級の読む週刊誌「SPA!」をチェックしているので「外こもり」という語自体は知っていたが、面倒くさくて特に反応はしなかった。因みに、「外こもり」というのは、学生又は若いバックパッカーで、日本でバイトして貯めた幾ばくかの金を持って物価の安いアジアの国に行き、そこの安ホテルで長期滞在をして時間を過ごす、というまあダメな感じの人たちのこと。タイなら、昼は漫喫(日本人向けの、日本語の漫画がおいてある漫画喫茶がある)に行き、夜は安ホテルの部屋で同じような「外こもり」の人間と管を巻くような生活だ。


外こもり」の話はどうでもいい。


面白かったのは女性たちで、どういうわけか綺麗な人が多かった。女性は参加費用が安めに設定されていたこともあってか、私の予想よりも多かった。で、その数いる綺麗な方の中でも私の目を引いたのは、完全にモード誌を読んでるだろ、って風貌の人。ご存知の方もいるかもしれませんが、最近は眉をナチュラル気味か又は若干それよりも濃いめにするメイクが流行り始めているんですね。バブルの時みたいにもっさりぼーぼーじゃないんだけど、程よく眉あるというレベル。


それだけなら別に驚くには値しないのですが、その人の着てた服の模様が、大きめの派手なフラワープリントで、これも今度の春夏で来ると目されている柄なんですよ。その人はオシャレな感じで目一杯おめかしして来たんだろうけど、ちょっとストレートすぎる。例えるなら、朝ご飯は生姜焼きで、昼はカレーで夜はハンバーグ、みたいなね。トゥーマッチ感がなあ。


私は今日、名刺を25枚持っていってたので、元気と勇気を振り絞ってそれら全てを時間内に配ろうと頑張りましたが、18枚を配った時点で電池が切れたので、皆さんが色々と頑張っているのを傍観していました。


でですね。全体を通して私が思ったのは。若くしてタワーマンションなんかに住む人のギラギラ加減は凄いってことですよ。『いつかギラギラする日』どころのギラギラさじゃないもの。いつもギラギラしている、って話です。


金銭的に貪欲(に見える)な人は多いですね。そして、私は正直そういうノリにはついていけない。もっと、こう、楚々とした佇まいをしたいですよ。そんな私はきっとその人らから見ればただの負け犬ってことなんでしょうなあ。


別にそれでいいけどさ。