本当は怖い北欧

今日は朝からよく働いたのー。カネになるかは知らないが。


MXテレビでやっている「松嶋×町山 未公開映画を観るTVブラックメタルを題材にしたドキュメンタリーを放送していたので見てみた。しかし、アレだな。地上波でブラックメタルが流れる日が来るとはねえ。


ブラックメタルは、ざっくり言うと、反キリスト超低音質(高音質じゃないよ!)うるさメタルですよ。ジャンルの始祖は、MAYHEMというバンド。


まあ、音楽は別にどうでもいいとして、問題はその思想「実践」だ。ノルウェーは基本的に国民みんなキリスト教徒なんだが、それに違和感を覚える又は反抗してみたい人は伝統的な宗教に重きを置くことになる。その宗教は、北欧神話に代表される、多神教アニミズム的なものだ。


彼らにとって、キリスト教は北欧の伝統を全て破壊し「悪」なんであり、更にまずいことに、キリスト教キリスト教でそういう土着宗教の神々のことを「悪魔」とか言っちゃって、そんでノルウェーの若者は「そうくるならおれたちゃ悪魔をとことん信奉したらぁ!」ってことになって大変で変態なことになっちまってんですな。


ノルヴェイジャンブラックメタルの人達は、大体のアウローがそうであるように一種の集団を形成した。初めはどっかのレコード屋の地下でたむろして酒飲みながらヘビメタ聴いたりしているだけだったのが、段々そこで「誰が一番過激(=根性がある)か?」を巡り争いが起こる。ヤンキーの集団でも、誰が一番ケンカが強いだの、誰がいくらカツアゲしたのだの、そういうしょうもないことで集団内の地位みたいなのが決まるでしょ?それと一緒です。


が、彼らはケンカの強さなんかを尺度にしなかった。というか、初期の初期にはそんなことが尺度になっていたのかもしれないが、最終的には殺人と教会放火までやっちゃったってんだからノルウェーのヤンキー(ってこんな言葉はないよな)は本当にイカれてるわ。


今週の放送は前編だったので、来週このドキュメンタリーの続きが放送されます。で、今日の番組終盤に町山さんが言ってたみたいに「過激な思想を歌っていると自分がそれを実行しなくちゃならない気がしてくる」のは確かにあるよな―と思った。


ジャンルは全っ然違うけど、ギャングスタラップであるでしょ?アレもそういう歌詞(♪おれはギャングだぜ強いぜ〜♪、みたいなの)だからついついドンパチやっちゃってんじゃないのか。


確かに、キリスト教が世界中の土着の宗教や信仰をぶっ壊したというのには一理ある。それをうるさメタルで歌うのは別に構わないが(事実、カッコいい曲もあるし)、やられたことをやり返したる!な感じはどうなのよ?


それに、ブラックメタルって民族主義的な色合いが強いからナチズムに傾倒しているバンドもいたりしてそれは流石にダメなんじゃなかろうか。なかろうかというか、ダメだ。


皆さんが、「北欧デザインっていいよねー」とか「北欧の社会保障とか教育っていいよねー」とか言ってちやほやしている国も、やっぱりよくない部分もある。


それにしてもノルウェーマクドナルドが初めてできたのが1991年って、そーとー頑張った方じゃないのか?凄いぞ、ノルウェー